概要 |
近年、走査電子顕微鏡(以下、SEM)における試料内部構造の観察手段として、FIB(Focused Ion Beam)加工観察装置を用いた断面作製法が広く普及しています。 このような背景から容易に試料断面の創出ができるよう、熱電子銃を搭載したSEM試料室に小型のFIB鏡体を装着したS-3000FB形FIB機能付SEMが製品化されました。 図1にS-3000FB形FIB機能付SEMの装置概観を示しますが、この装置はSEMの鏡体に対して60°の傾きでFIB鏡体が配置された構造になっており、SEMとFIBのビームが同一照射点で試料に当たることが特長です。従ってSEMで観察した位置の同一箇所をFIBで加工し、その加工断面をそのままSEM観察・分析することが可能となっています。今回は、このS-3000FB形FIB機能付SEMの特長と多層膜試料断面の加工・観察に適用した場合の応用例について紹介します。
キーワード:FIB加工,SIM像,Cデポ,EDX分析,SEM像,BSE像 |