概要 |
近年、多くの分野で硬度や組成の違う材料等を組み合わせることにより、新しい物性(機能)を持つ材料が開発されています。それらの内部構造を評価するには、前処理装置として従来から使用されているミクロトームに加え、応力を加えずに断面を作製できるFIB加工装置や、断面観察のためのSEMが広く利用されています。一方、SEMによる低加速電圧STEM(Scanning transmission Electron Microscopy)法は、その散乱能の高さから、以前より高分子材料の観察に適用され、最近ではFIBとの組み合わせによる半導体デバイスの評価や、生物試材料の観察にも応用されるようになってきました。そこで今回は、超高分解能インレンズFESEMであるS-5200を用い、高分子や有機材料を含むいくつかの機能性複合材料について、低加速STEM法による内部構造の評価を試みましたので紹介します。
キーワード:低加速電圧STEM像,FIB加工,EDX分析,SEM像,高分子材料 |