概要 |
走査電子顕微鏡(以下SEM)におけるクライオ観察は、水分を含んだ試料を急速凍結することにより、その形態を保持しながら直接SEMで観察します。応用分野としては、食品・化学薬品などの分野で広く活用されていますが、最近はその構造も微細化傾向(0.1μm以下)にあることからクライオ観察における高分解能化が望まれていました。今回は、その要求を満たすため大形試料(最大6インチ径)での低加速電圧分解能が大幅に向上したS-4500形SEM(加速電圧1kVにて分解能4.0nm保証)に日立クライオシステムを装着して(図1)、ゲルの微細構造やチーズのタンパク粒子、エマルジョンなどの観察を試みましたので、その特長や応用例について紹介します。
キーワード:高分解能クライオSEM,クライオシステム,低加速電圧,エタノール置換 |