概要 |
S-4800形FE-SEM(以下、S-4800)は、シュノーケル形対物レンズ方式FE-SEMのさらなる高分解能化と、評価目的に適した試料情報の取得および低損傷観察を望む声に応えて開発され、半導体や材料分野において最先端の評価ツールとして幅広く活用されています。 SEMの観察用とは、試料表面形態の観察以外に薄片化した試料、あるいはカーボンナノチューブ内包部粒子の内部構造観察があります。内部構造の観察には、通常試料を透過した電子を利用するSTEM法(Scanning Transmission Electron Microscopy)を用います。アウトレンズ方式やシュノーケルレンズ方式のSEMによる従来のSTEM法では、図1に示すように試料を透過した電子をそのまま検出して観察する明視野STEM法が一般的でした。しかし、透過電子には明視野信号以外に入射電子が試料内部で散乱して透過する暗視野信号があります。暗視野信号では、試料内部の組成情報を反映したコントラスト(Zコントラスト)が得られます。 今回は、S-4800の新機能として製品化された暗視野STEM機能(オプション)とその応用例について紹介します。
キーワード:FE-SEM,明視野STEM像,暗視野STEM像,薄膜試料 |