概要 |
冷陰極電界放出電子銃(Cold-FE)を搭載したHF-2000 200kV FE-TEMは、極微小部の分析を主目的として開発されました。Cold-FEは、高輝度(~10(9)A/cm2・sr)でエネルギー幅の小さい(~0.3eV)電子線プローブを有しています。その電子線プローブは、試料面上で1nmに絞ることができますが、このときの電子線プローブは通常の熱電子銃に比べ、約100倍の電流密度を有しています。また、電子源径が5~10nmと非常に小さな点電子源となっているため、電子線の平行性が良く、コントラストの高いTEM像が形成されます。これらの特徴は、EDX,EELSなどによる極微小部の分析や高分解能TEM像の観察に威力を発揮します。 今回は、このような特徴を備えたHF-2000 200kV FE-TEMを使用し、Si単結晶表面の自然酸化膜の極微小部EELS分析を行った例を紹介します。
キーワード:電界放出電子顕微鏡,EELS,自然酸化膜,極微小部分析 |