概要 |
磁性材料内の磁区を観察する手段のひとつに透過電子顕微鏡を用いたローレンツ顕微鏡法があります。この方法は磁性材料の持つローレンツ力(Lorentz force)によって電子線が曲げられることを利用しています。試料中に方向の異なった磁区が隣り合って存在しているとき、その電子顕微鏡像の焦点をずらすと磁区の境界に磁区内とは異なったコントラストが生じます。コントラストの明暗は試料の磁区の方向と焦点のずらし方によって決まりますが、その幅は電子線の質、すなわち電子線のエネルギー幅や、照射電子線の平行度に大きく依存します。光源が小さく、しかもその電子線のエネルギー幅の小さい冷陰極電界放出型の電子銃を備えたHF-2000はローレンツ顕微鏡法に適した透過電子顕微鏡と言えます。 以下にその二、三の応用例を紹介します。
キーワード:磁区観察,ローレンツ顕微鏡,冷陰極電界放出型電子銃,コバルト,分析電子顕微鏡 |