概要 |
クライオトランスファー法は、液体プロパンや液体エタンなどの冷媒を用いて急速凍結させた試料を液体窒素あるいは液体ヘリウム温度下で観察を行う電子顕微鏡技法のひとつです。 クライオトランスファー法の一種で、ウイルスやタンパクなどの生体高分子を薄い非晶質の氷の中に閉じ込めて、直接観察する氷包埋法(VIE法:Vitreous Ice Embedding)は、乾燥による試料の変形などのアーティファクトを最小限に抑え、より原形に近い状態での形態観察に有効です。しかし、電子線照射による試料損傷が極めて大きいなど、観察上の難点もあります。 日立Bio-TEM H-7100には、電子線照射量を軽減して観察することが出来るロードースシステムが装備されており、このような電子線損傷を受けやすい試料の観察に有効に活用されています。 今回、H-7100とクライオトランスファシステムとを組み合わせて、氷包埋したウイルスの極低温観察を試みましたので、以下に紹介します。
キーワード:透過電子顕微鏡,植物ウイルス,クライオトランスファー法,氷包埋法,ロードース |