概要 |
電子顕微鏡では、入射電子線と試料との相互作用により、いろいろな情報が得られます。その中のひとつに、X線がありますが、各元素に固有のエネルギーを持った特性X線を検出して、元素分析を行うことが可能です。そのため、透過電子顕微鏡(以下、TEM)では、X線検出器ならびにそのアナライザーを装備して、観察機能に加えて、分析機能を付加したトータルシステムの分析TEMが、新素材の物性評価や材料の構造解析に盛んに活用されています。 最高加速電圧120kVの汎用型TEM H-7500の分析バージョンでは、3段のコンデンサーレンズを用いて、電子線を最小径20nmにまで絞って、微小部分析を行うことが可能となっています。さらに、Windowsを搭載することにより可能となった高精度の試料位置メモリー機能をはじめ、各種機能との併用により、分析効率の向上を図っています。 今回は、X線分析装置を装備したH-7500を用いて、鉱物やアスベストをはじめ、粉体試料のX線分析例をご紹介します。
キーワード:透過電子顕微鏡,X線分析,粉体試料 |