概要 |
HD-2000は、高い位相差コントラストで結晶性試料の形状が観察できる明視野STEM検出器、わずかな組成や密度の差を高いコントラストで識別できる暗視野STEM検出器、試料表面とその表面から約1μm内部までの構造を三次元的に観察できる二次電子像検出器など、従来の分析TEMにはなかった種々の観察機能と、高感度のEDX検出器の装備が可能となっており、電子材料の評価や故障解析に広く利用されています。 Siデバイスの評価ニーズの一つにバリアメタル層の分析があります。金属配膜の長寿命化や反応性金属ガスによる反応の防止膜としての機能を有するバリアメタル層には、TiやTiNが多く用いられ、その膜厚や組成の均一性の評価が重要になります。しかし、EDX分析のエネルギー分解能では、TiとNを分離するのは困難です。HD-2000は、エネルギー幅の小さい電子線を発生する冷陰極電界放出型電子銃を採用していますので、エネルギー分解能の高いEELS(Electron Energy Loss Spectroscopy)分析が可能です。そこで今回は、そのHD-2000の特長を生かしたEELS Spectrum Imaging法によるSiデバイス中のバリアメタル層の分析例を紹介いたします。
キーワード:Siデバイス,STEM,EELS,Spectrum Imaging,Cold-FE |