概要 |
ビニール傘は一般的にポリ塩化ビニル(PVC)で作られていましたが、近年、環境に対する負荷を低減するために、ポリオレフィン・エラストマー(POE)、非晶質ポリオレフィン(APO)、エチレン・ビニール・アセテート(EVA)などの代替素材で作られるようになってきました。今回は市販のビニール傘に含まれるポリオレフィン・エラストマー(POE)を四酸化ルテニウム染色を施し、そのラメラ構造を可視化しました。試料作製は、まず市販のビニール傘の一部を二等辺三角形に切り出します。次に、切り出した試料を四酸化ルテニウムの結晶1欠片とともに、ケース(60×40×20 mm)内に密封し、室温で15時間染色します。その後、染色したサンプルを常温硬化樹脂で樹脂包埋し、ウルトラミクロトームで約80 nmに薄切化して、支持膜を貼っていないグリッドに回収しました。 |