サイト名称 日立ハイテク

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試料の前処理や保管を行う際、試料表面に付着したハイドロカーボンを観察前にUV照射により除去し、観察時のコンタミネーション形成を低減するクリーナーです。少ないダメージで試料表面の汚損を除去することが可能なため、ダメージに敏感な試料へも適応可能です。

波長185 nmと254 nmのUV照射光によりチャンバー内残存酸素分子からオゾンおよび活性酸素(原子状酸素)を生成します。試料表面のハイドロカーボン分子と活性酸素が反応し、CO2、H2Oなどの揮発性分子となり、試料表面から剥離します。発生したオゾンと剥離した揮発性分子はオゾン除外装置を含むドライ真空排気系により、安全にチャンバー外に排出されます。

価格:お問い合わせください

製造元:株式会社三友製作所
取扱会社:株式会社日立ハイテクフィールディング

特長

コンタミネーション低減により本来の試料表面が観察可能

電子顕微鏡用の試料作成・保管中に、試料表面にハイドロカーボンが付着し、電子ビーム照射時にコンタミネーションが形成され、高分解能観察や分析の妨げになります。
ZONESEMⅡは、UV光を照射して試料表面に付着したハイドロカーボンを除去、電子顕微鏡での観察時に試料表面に形成されるコンタミネーションを低減することができます。

高スループットでフレキシブルなセットアップが可能

  • 同時に複数サンプルを処理可能
  • LCDタッチパネルによる操作
  • 簡便なサンプル装着 / 取り出し
  • レシピ機能(10個)を標準搭載

省スペース卓上形

本体寸法:300 mm(W) × 262 mm(D) × 326 mm(H)

長時間クリーニングが可能

1分~約24時間(1分単位)で設定可能です。

ドライ真空排気系

ダイアフラムポンプを搭載、100段階の真空圧設定が可能です。
UV照射時、チャンバー内を真空にすることにより、表面改質および洗浄の効率が上がります。

仕様

項目内容
形式ZON-2010
UVランプ波長: 185 nm、254 nm他(可視光-青、赤外光)
対応試料サイズ100 mmφ × 37 mm(H)
処理モードUVクリーニングモード(レシピ機能搭載)
真空保持モード
真空設定100段階の真空圧で設定可能
処理時間設定1分~約24時間
真空ポンプドライ真空排気系
オゾンスクラバー触媒式オゾン除害装置内蔵
本体寸法300 mm(W) × 262 mm(D) × 326 mm(H)
重量約18 kg
オプション試料高さ調整用スペーサ

【注意事項】

  1. 試料の汚れの種類によっては効果がない場合があります。
  2. UV照射によるダメージを受ける試料には適しません。
  3. 酸化されやすい試料には適しません。
  4. 試料が著しく汚染されている場合は効果がありません。
  5. 本装置に用いるUVランプはRoHS2適応除外扱い品となります。
  6. 本製品内に組み込みのUVランプには、微量の水銀(ランプ重量比で0.05%以下)を含有しています。

設置条件

項目内容
室温15~30℃
湿度~70%RH(結露のないこと)
電源電源AC100 V(±10%)50/60 Hz
消費電力0.13 kVA
容量10 A
形状3Pコンセント
アース接地D種接地
設置スペース650 mm × 650 mm
(装置背面は壁から200 mmのスペースを空けてください)
テーブル耐荷重100 kg以上

応用例

[試料] カーボンフィルム上の金蒸着粒子
[クリーニング時間] 4分 × 2回

カーボンフィルム上の金蒸着粒子 ZONESEMⅡで処理をせず観察
ZONESEMⅡで処理をせず観察

カーボンフィルム上の金蒸着粒子 ZONESEMⅡで処理後に観察
ZONESEMⅡで処理後に観察

多孔質材のハイドロカーボンの除去

多孔質材料は、孔の中にコンタミネーションの原因となるハイドロカーボンなどを内包しやすく、コンタミネーショによる像障害が発生しやすい試料です。ZONESEMⅡでUVクリーニングすることで、ハイドロカーボンが除去され、コンタミネーションによる像障害が改善されます。

[試料]メソポーラスシリカ
[クリーニング時間] 5 分

メソポーラスシリカ ZONESEMⅡで処理をせず観察
ZONESEMⅡで処理をせず観察

メソポーラスシリカ ZONESEMⅡで処理後に観察
ZONESEMⅡで処理後に観察

[試料]ガラス基板上の酸化インジウムスズ(ITO)薄膜
[クリーニング時間] 5 分

ガラス基板上の酸化インジウムスズ(ITO)薄膜 ZONESEMⅡで処理をせず観察
ZONESEMⅡで処理をせず観察

ガラス基板上の酸化インジウムスズ(ITO)薄膜 ZONESEMⅡで処理後に観察
ZONESEMⅡで処理後に観察

大電流照射時のコンタミネーションを抑制

EDSによる元素マッピング実施時には、通常よりも多くの電流を試料に照射するため、コンタミネーショによる像障害が発生しやすくなります。ZONESEMⅡでUVクリーニングすることで、ハイドロカーボンが除去され、EDS 元素マッピング時のコンタミネーションによる像障害が改善されます。

[試料]カーボン上の金蒸着粒子
電子顕微鏡像

ZONESEMⅡで処理をせず観察
ZONESEMⅡで処理をせず観察

ZONESEMⅡで処理後に観察
ZONESEMⅡで処理後に観察

EDS 元素マッピング像

ZONESEMⅡで処理をせず観察
ZONESEMⅡで処理をせず観察

ZONESEMⅡで処理後に観察
ZONESEMⅡで処理後に観察